東宝はゴジラシリーズがヒットしていて、前年の40年にはゴジラシリーズ第六作目の『怪獣大戦争』が公開されていた。
大映にはもうひとつのモンスター映画『ガメラ』を1965年に公開していて、『ガメラ』が東京の撮影所で製作していたのに対して、『大魔神』は京都の撮影所で製作していた。
またこのモンスター作品2作は2本立て公開だったから観る側はかなりお得感があったと思う。
大魔神は鎧を着た巨人で、モデルはチェコスロバキアの巨人ゴーレム。
普段はハニワのような顔をした優しい神様として登場する。
しかし、迫害された主人公の願いを聞き入れると、優しい顔が一変、憤怒に満ちた恐ろしい顔になり暴れまわる。

『大魔神』シリーズはその後2作品製作され、同じ1966年に『大魔神怒る』『大魔神逆襲』が公開されている。
僕は劇場では観たことがなく、TVで放送されたものを鑑賞している。
2016年にWOWOWでデジタルリマスター放送されたもので再び鑑賞することができた。
時代劇のメッカ京都で製作されただけあって、クォリティは抜群で、今でも十分鑑賞に堪えられる。
巨大な大魔神が悪徳領主の領地内を暴れまわる特撮は実物大の模型を使ったりして、かなりアナロク要素が強い特撮だけど、見応え十分で迫力がある。
ただひとつ難を言えば、大魔神のハニワ顔から憤怒の顔に変化する場面の処理。顔の位置がズレてしまっている。これを除けば、今でも十分通用する映像である。